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使い易く 慣れ易い 遠近・中近・近々両用眼鏡 を作るために。

快適な遠近両用メガネを作る為の

初心者向けアドバイスHP

【 眼精疲労 】と【 老眼 】

まずは【 眼精疲労 】・【 老眼 】を簡単に説明します。

(1)【 眼精疲労( 眼の疲れ ) 】


≪ 眼精疲労の簡単な説明 ≫



【 眼精疲労 】という言葉が、ここ数年で多くの人に認知されました。
認知度が高まると同時に、色々な意味が付加されたようにも思います。


お客様の中で、色々な解釈や意味で使われるようになったので、
どういう意味で使われているか、まとめておこうと思います。


始めに、目の病気(症状)を診断する眼科医がどのように表現しているのか?
やはり、これを確かめなければならないと思いました。


そこで2018年1月25日に、日本眼科学会のHPで眼精疲労について記載があったので、読ませて頂きました。(http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_gansei.jsp)


その時の内容は以下の通りでした。(記載が変わっていたらごめんなさい。)


眼精疲労とは
眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。
(原文そのまま)


当店にご来店頂いて、お客様が訴えられる『体の症状』で多いものだと、
眼を使った後で起きる「頭痛」・「吐き気」、他、「めまい」もあります。


これらの原因は、眼を酷使する作業による眼精疲労によるのかもしれませんが、
それ以外に考えられる原因で、乱視、不同視や全く別の病気の場合もあります。


上記のように、別の疾患などが原因でも引き起こされることもあるので、
正しい眼鏡を作っても、改善されない可能性もあります。


これは必ず、頭の片隅に置いておいて下さい。お願いします。
(診断は医師にしかできないことを忘れないでください。(*'ω'*))



≪ 近くを見るメカニズム ≫



 では、実際に『近くを見る時に、眼の中で起きている事』を、
正視≒目の良い人の場合』を例に、お話していこうと思います。


まず、正視の人が、遠くの物が見えている(下の図の@)状態とは、
何の調整が働くこともなく、角膜、水晶体を通過して、網膜で結像します。


網膜で結像すると、網膜の情報が視神経を通じ、脳で画像化。
ピントの合った情報で形成されるので、「見える」状態を認識します。


※ピントの合っていない、不鮮明なデータが脳に送られると、
 画像処理のしようがないので、「よく見えない」と知覚します。





次に、遠くの物ではなく、近くの物をときのお話を。


対象物が近くになると、物が近づいた分、焦点が後ろにズレます。
(図2参照:大雑把すぎる例えですみません。)


このままでは、網膜には「ボヤけた・不鮮明な情報」になるので、
網膜で結像するよう、水晶体を膨らませて、ピント調節を行います。


(図3の状態にするため、水晶体を毛様体筋を使って膨らませます。)
見えると認識できるデータが網膜上で結像し、脳で正確な画像化ができます。

こうして、「近くの物が見える。」と感じられるようになるのです。(*'ω'*)



≪ 眼精疲労の起きるメカニズム ≫



先述迄で、近くを見るための目の仕組みをご理解頂いたと思うので、
近方視時に【眼精疲労の症状が出やすくなる】原理を簡単に説明します。


まず、パソコン、スマフォ・タブレット、読書等の近方作業を長時間行うと、
調節を行う『毛様体筋』が働き続けて、負担をかけ続けることになります。


例えば、肩も同じ姿勢でいれば、凝り固まってしまうことがありますよね。
そのイメージだとわかりやすいかと存じます。


近くを見続けて、近くを見るための状態で凝り固まり、
遠くを見ようと力を緩めても、すぐに元に戻らず、遠くが見えにくく感じます。


難しく換言すると、長時間の近方視等が原因で、毛様体筋が正常に緩まず
水晶体が元通り膨らむ迄のピントの遅延、『タイムラグ』が生じて、


何だか見えにくいとか、ハッキリしなくて疲れを感じたりして、
眼精疲労が表面化してきたりします。


下に簡単な眼の模式図を作りましたので、ご覧下さい。(*'ω'*)


目の模式図

老眼の目

【 眼の模式図 】 眼精疲労で ピントにタイムラグ生じる
(暫くして ピントがあう))


このタイムラグ現象を、 ある製薬会社が『ピントフリーズ現象』として、大々的にCMした時期がありました。


※『ピントフリーズ現象』は、限界を超える近方視によって、
 毛様体筋のオーバーワークとなり、水晶体の膨らみを戻す筋肉が解れず、


 『遠方または近方』が 一時的に見づらくなり、時間が経つと回復する現象。
 簡単に言えれば、このような印象を受けました。



この例のように、≪眼精疲労≫による視力の一時的な不良は、
近方視し続けた後の、遠方視で、体感することが多いと思います。


しかし、より酷使されると、毛様体筋自体の働きがもっと悪化して
再度、水晶体を膨らませる時も、毛様体筋が正常に機能せず、


遠方視した後も、近方視した時に、老眼のように見えにくい」と
≪眼精疲労≫なのに老眼に類似した状態になったりします。( ;∀;)


これに加えると、スマホやタブレットからのブルーライトが原因で、
眼精疲労を起こすと一部で仰られる方がいらっしゃいますが、

最近(2023年現在)では、因果関係がはっきりと認められる研究結果が
でたという記述をみつけることができませんでした。

ブルーライトはどちらかといえば、睡眠障害に関連して記述されていました。
〜スマホやタブレットは、ナイトモードなどで色合いを替えていますし…。


【 眼精疲労の実例 】



10代や20代なのに、長時間のパソコンで仕事をした後、
遠くを見ると『しばらくボヤケて』、『数秒後』にハッキリする。


これは『毛様体の緊張』が解けないためです。
少しでも負担軽減させましょう。(^-^)


また関連して、お子さんの眼鏡をお作りになる時は、特にご注意ください。
調節力に異常があるだけで、屈折状態は正常だったり、変化なしのことがあります。


眼鏡のことをきちんと勉強した人なら、お子さんの検査において、
子供の調節機能のことは、必ず頭の片隅にあります。


そういう専門家が減ったのか、そういう人がいないお店で作ったのか、
最近は、大人子供を問わず、過矯正の眼鏡をお使いのケースに当たります。


ご注意申し上げるために書きます。もう驚かないくらいになりました。(;^_^A
もっとお子様やご自分の目を大切になさった方が良いと思います。


特にお子様は、「仮性近視」や「屈折ではなく調節の問題」かもしれない。
そう思った時点で、眼科での詳しい検査をお勧めします。


実際に眼鏡を変えず、訓練することで十分対応できたり、
適正な度数の眼鏡を掛けることで、疲労しにくくなったりします。


※ 「眼精疲労」の原因は、単一ではなく複数の可能性があります。
 下に一例を列挙します。

 
  1. 近視・遠視・老眼・斜位・斜視の未矯正・低矯正。
  2. 白内障・緑内障。
  3. 調節機能の不全。
  4. 心因性も含めて、その他の病気があります。


    病気の場合は、メガネを作っても、問題の解決にはなりません。
    皆様に年1度の眼科検診をオススメしています。 (^-^)



(2)【『 老眼 』の仕組み 】



前の章で≪近くを見るときの目の仕組み≫をお話しました通り、
人は普段、毛様体(筋)で、水晶体を収縮、変化させ、網膜に焦点を合わせます


しかし加齢等で、収縮機能などが弱くなったため、近くがボヤて見える事を、
いわゆる、老眼
と、一般的に言われています。


※加齢による『 毛様体 (筋) 』の筋力『水晶体』の弾力性低下等で、
 近方視時、網膜にピントが合わず、見づらい状態を『老眼』と呼んでいます。



『眼精疲労』によるピントのタイムラグ、は似ていますが、
≪長時間の近方視後に、遠方視した際、一時的に見えにくい≫のに対し、


『老眼』は、≪近方視を開始直後、または暫くして手元が見づらい≫、
時間を掛けても、見え方が良くならず、むしろ悪くなる≫こともあります。


「近く」という言葉は曲者

「近くを見る時に、見えにくくなったことを老眼」と説明するとき、
「近く」って具体的にどの距離でしょうか?

他の箇所でも書いていますが、
「お客様の体格、作業姿勢、対象物の大きさ・距離」が千差万別で、
人によって、かなり差があることになります。

ここでは、広義的な意味で使用しています。


話を戻しますね。(*'ω'*)


このように「眼精疲労」と「老眼」は似ているようで、全く違います。
下の図を使って、老眼の仕組み(原因?)を解説します。


『網膜にピントが合う状態』
(水晶体が膨らみます)
『老眼でピントが合わない状態』
赤線の状態


〜眼精疲労による見え方の不良は、回復後、焦点が網膜上にきますが、


 老眼だと、近方視時に、毛様体筋が上手く働かず、網膜上に焦点がきません。
 休んでも水晶体の膨らみが弱いまま回復せず近くは見づらいままです。


遠方や近方が見えづらい部分で共通することがありますが、
全く違う原因であることも、お分かり頂けるのではないでしょうか?



なお『水晶体の弾力性低下』は、眼の中の『老廃物』が年々蓄積され、
それが水晶体の繊維に入り込んだり、『紫外線による変質』などが原因と言われ、

こうした現象が、網膜への結像の妨げになることで視力に影響が起きて、
いわゆる「白内障」につながっていくこともあります。



なお『毛様体筋の筋力低下』は『加齢・酷使』が要因の1つと言われていて、
特に酷使については、お客様のお話を伺うと、無意識に行われやすいようです。


→その予兆が出ているにも関わらず、 【 我慢 】や【 無理 】をなさり、
  より大きな疲労や別の問題を引き起こしているようにも感じています



無理をしてもよいことはありません。疲労軽減をご検討下さい。
自覚症状を感じたら、早めに『眼に楽を』させてあげて下さい。


『眼は一生使います』から、どうぞご配慮、ご自愛下さいませ。 (^-^)


では残りのスペースで、ご質問の多い『老眼についてのQ&A』を記します。



(3)【 お客様からよくあるお問合せ『老眼Q&A』】



Q1 【 近視の人は老眼にならないの? 】


A1 

よく「近視だから老眼にならない」とおっしゃる方がいますが、
そのようなことはありません。


程度の差はありますが、ほとんどの皆さん『老眼』になります。

※でも、ごくごく稀にならない人もいます。


先述したとおり、手元を見る時に、毛様体筋で水晶体を膨らませますが、
近視度数等にもよりますが、眼鏡を外してせば、その機能がなくても見えます。


度数測定を絡めてお話しすると、眼鏡を作るための視力検査するとき、
(遠方視の検査時の)完全矯正値を測定していますが、


その度数で、お客様の望む近方距離で、希望の文字の大きさを見易くする為に、
『 補助(矯正)がどれくらい必要か』確認します。

この数値が『加入度数』と呼ばれるものです。



例えば、完全矯正値が「S-3.00」で、その時が加入度数「ADD+1.00」。
この人が近くを見る時の度数は、二つの数値を足して、「S-2.00」です。


『近視だと老眼にならない(なりにくい)。』という方がいますが、


例えば、近視の方が、『一番遠くの見やすくなるメガネ(S-3.00)』で、
『近くが見えにくく』なければ、多くの場合、老眼によるものです。


同様に『眼鏡を外せば見える』という方も、簡単にいえば、
『外した分だけ老眼になっている』可能性が高いです。( ^^)


こう説明すると、客観的に見れば、
「外せば見えるから老眼ではない。」という論理は通じないものですが、


「老眼」という加齢を感じさせる単語・現象は、本人には認めづらく、
「時代を超えた、魔法の言葉」だと思っています。


(自分がなってみると、無意識の拒絶に理解ができます。)



Q2 【『遠視』や『眼の良い人』は、老眼が進みやすいの?】


A2 

≪眼の良い人や遠視の人は、老眼になりやすい≫とか言われますが、
『眼の良い人の眼』は、元々長時間、近方視する事に向いていないからです


繰り返しになりますが、


弱めの近視の方は、遠方視時、焦点が網膜よりも手前で見えにくいですが、
対象物が近づけば、焦点が網膜上にくるので、ピントが合います。


「遠くの標識は見えないけど、本は普通に読めるよ。」というのはこの状態。
この時、毛様体筋を使わずとも、近視の人は近くが見えているのです。


近視だと、老眼になっても、調節せずに手元が見やすいことがあるのに対して、
眼の良い人は、手元を見る時、毛様体筋で調節し続けます


こう説明すると、眼の良い人が、近方作業で負担がかかりやすく、
近視の方が、近方作業での負担の少ない方だとご理解頂けると思います。(*'▽')



また、眼鏡を外せば、調節なしで近くが見えるので、
加齢による毛様体筋の調節力低下を感じにくく、老眼の自覚時期も遅くなります。


さらに、遠見時に無調節状態で、ピントが網膜よりも後ろになる遠視は、
本来、近方視で使う毛様体筋を、すでに遠方視時にも使っており、


近方を見るときには、さらに調節力を使うので、マージンが少なく、
近視の人よりも早く老眼を自覚しやすくなっています。 (^-^;)


◇これらの事から、眼科医の間では、正視の人が目が良いと評価していたのを、
 近方視の多い現代人には、弱めの近視がある方が良いと評価が変化しました。



このように、近視に比べ、自覚症状を自己把握し易い為、
老眼が進みやすいと思われがちですが、


老眼の原因は、眼の中の問題であり、私が教わってきた中では、
近視・遠視による老眼の進行度の差は、『ほとんどない』ようでした。


それよりも、ライフスタイル(筋トレ状態?・眼の酷使状況)による部分で、
老眼になる時期やスピードが変わるように感じています。


まぁ完全に個人的な印象・感想ですから当てにしない下さい。(;^ω^)




Q3  【 老眼は何歳から始まるの? 】


A3 はっきり言って、何をもって「老眼」とするかが難しいです。(;^ω^)


ザックリと、「近く」が見づらくなるということが「老眼」とすると、
「近く」の「基準」・「定義」が必要になるのですが、

冒頭に書いた通り、これがすごく難しいです。



「老眼が(で)あるかないか?」を判断する基準を、
(1)完全矯正値に対する加入度数の有無」と考える場合、


「遠視や近視、乱視の状態」、「体格」や「見る対象物の大きさ・距離」など
「近く」の決定に様々な要素が絡み、個人差が生じます。


モデルケースで、40代くらいで、近点40センチ前後、対象物:新聞程度。
これを近くの条件だとすれば、多くの方の場合は、

完全矯正値で加入度数が必要になり、
装用度数が決まった時にも、加入度数が必要になるケースが増えてきます。


「近く」の条件がこうしたものなら、30代半〜40代で老眼になって、
遠近両用メガネが使えると、眼への負担が減り、


視生活のクオリティーも上がりやすくなる現状にもフィットします。


こうして、お客様の中には、(1:加入度数)が必要になった時期を称して、
30代半ばから40代に老眼になった」と仰る方が多いです。



次に、「(2)調節力の低下自体を老眼と評価する」のであれば、
ざっくりと、「子供の頃び調節力のピーク」を過ぎれば、老眼という考えです。


※幼くなるほど視力検査は難しくなるので、何歳がピークかは存じません。
 幼児や就学前児童の目を測るには、本当に気遣い・技術が必要です。

 小児眼科での視能訓練士の方って本当に尊敬しています。
(話をもとにもどしますね。)


「近くとは近点である」と定義してしまうと、
「生まれた時から老眼に向かっている」感じがしてきます。


まさに、「人は生まれた時から死に向かっている」的で、印象が最悪ですね。

調節力が強すぎるがゆえに、コントロールできず、
矯正が必要になることもあったりするので、


「調節力が落ち着いてくる」と思っていただくといいのかなと思います。
それくらい、極端すぎるかと存じております。



で、最後に老眼の評価の要素を
(3)ご本人が必要にしている近点距離を基準」にした場合を考えてみます。


「近点」を測るために、まずは目的物を決めておきましよう。
例えば、指の指紋を目的物にしていたレンズ会社が、昔ありました。


『指紋を顔に近づけていき、両眼視できるギリギリの距離を近点距離』とし、
各年代ごとにそれを図表化したイラストが載ってましたっけ。


記憶では、子供の頃は20センチ以内の近点だったのが、
40代になると40センチ前後位になっていたような気がします。(*'ω'*)


ここまでの内容だと、40代位で老眼に対するケアが必要となり、
そういう意味では、(1:加入度数)基準に近いと思います。


しかし近年の、近方視の作業環境(お仕事・勉強環境)の多様化では、
ひとくくりの定義化は、個々の事情に合わなくなってきたので、



「近く」という言葉の範囲を、「お客様ごとの近く」にする。
(3)ご本人が必要な近点距離を基準」にすることはどうでしょうか?


「近くが見づらくなる」ことが老眼の定義的な物とするなら、
「近く」が広義から狭義になることで、柔軟性があります。


《正視の同一人物。近くを見づらく感じる時期の例》
 通常基準:リラックスした姿勢で45センチの距離で新聞を見る。(40代)
 仕事基準:車の下に潜って、距離15センチの装置の修理。(20代)


→通常基準なら、老眼になるのは40代ですが、仕事基準だと20代で老眼です。
 極端な作業環境だと、10代後半で老眼評価になることもあるでしょう。


それで、どうでしょうか?
≪ 老眼の基準なんて考えるだけ、嫌になりませんか? ≫


いつから始まるなんて、何を基準にするかで、本当に変わります。(;^_^A
私の考え(結論)としては、「老眼」という言葉自体が不要だと思います


(ご質問に対して、答えるというより「ひっくり返す」ことお許し下さい。)


「お客様の体格・使用環境・使用条件・対象物の距離と大きさ」が多様化するなか、
「唯一の共通項」は、「負担軽減や負担なく物を見えるようにする」こととして、


いつから老眼がはじまっているか?」にこだわらず
快適さのサポート追求する」スタイルでいいと思います。(*'▽')


線引きや言葉を気にして、いやな気分になるよりも、
ポジティブに考える方が、ずっと人生楽しくなります。(*'ω'*)



Q4 【老眼は「無限」に進行するの?】→いつまで眼鏡を作り続けるの?


A4 

単純に「自分の目がどんどん悪くなるのでは?」とか、
仮に、「無限に進むなら、買替えサイクルはどうなるか?」等の不安から、


お客様が気になさって、ご質問されることが多いかと存じます。
回答としては、ある一定程度進むと、作り替えの必要は、ほぼ無くなります


(※「ほぼ」が付くのは、病気などで度が変わらない限りということ。)


「全く調節力が無くなるのはいつか?」に固執すると、
「いつ終わるかはわからない」と答えるしかないありませんが、


別の視点で、「じゃあ、調節力が無くなったらどうなるのか?」を考えると、
物事を肯定的に、理性的に判断できると思います。(*'ω'*)



では「調節力が無くなったら、どういう風な対応になるのか?」を、
現にある「白内障手術における人工水晶体」装着時の対応で記します。


(例)白内障の手術では、人工水晶体を挿入します。

人工水晶体は、簡単に言えば、プラスチックレンズなので、
膨らんだり、薄くなったりしません。→調節変化はゼロです。


患者さんが「遠くを見る時にメガネを掛けたくない。」
と希望し、「正視」の状態になる水晶体度数を選んだとします。


・体格・目的物のサイズ・距離が異なり、幅がある表現になります。
・理論・原理を説明すると長くなるので割愛します。


以上2点をご注意頂いて、大雑把な結論で書きますが、


「遠見正視の人工水晶体度数を選んだ場合」、特殊な条件を除き、
「加入度数+2.50〜+3.00」位で殆どの方に、近方視をご満足頂けます。


(※加入度数に幅があるのは、体格さも含め経験上の数値記載の為。)


つまり、正視の良い人が、調節力を失っても、一般的な条件なら、
加入度数+2.50〜+3.00の遠近両用メガネで最後の可能性が高いです。


※今までよりも細かい物を見たいとか、もっと近くで見たいとか、
条件を変えたり、病気で目自体が変わらない限りでです。


水晶体は、毛様体筋の働きで近くにピントを合わせますが、
白内障手術をした場合の眼内レンズ(人工水晶体)を入れた場合、


『人工水晶体』には『近方調節能力』はありません
『調節能力がいわば、ゼロ』です。


白内障の手術後に遠近両用メガネ等を作った場合、
病気などで遠くの見え方に変化がなければ、


ほとんどの場合、手術以後の処方度数で製作すると、
その後に眼鏡を作り替えることは、ほとんどありません。


(無限に老眼が進み、買い替えし続けると思われがちですが、実際は違います。)


◇なお眼内レンズを挿入すると、眼も完全に矯正されるのは稀で、
 普通、多くの場合は、遠・近視や乱視が、多少なりとも残ります。


 お客様のライフスタイルや厳密な見え方がお好みのお客様は、
 手術自体が成功しても、見え方が不十分と感じることがあります。


→その場合は、今までと違うタイプの(眼鏡)レンズを使ったり、
 残った乱視などを眼鏡で、見え方を向上させるようにします。


★眼内レンズを入れた後、年月が経って見え方にご不満が出たら、
  掛り付け眼科さん・眼鏡店に一度ご相談されては如何でしょうか?(#^^#)



Q5 『老眼になって近くが見えにくくなった』と思っていたのに…。


A5

『近くが見づらく』なる原因は、必ずしも『老眼』のせいだけではありません。


『最近、他店で遠近両用眼鏡を作ったのに見えづらい。』と、
『遠近両用眼鏡を希望』でお客様からご相談を受け、測定したら、


『見づらさの原因が 【毛様体筋の疲労】や【老眼】ではないケース』

もございました。

ココをクリックすると、その例が書いてあるページを開きます。


記載事項以外にも色々なケースが考えられますので、測定結果をよく聞いて、
疑問があれば、しっかり相手・スタッフに質問をして下さい。 d(^-^)


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


☆本Q&Aコーナーは、皆様から頂いたご質問で不定期更新しています。
『ご質問の受付窓口』は、『ご予約・お問い合わせフォーム』をご利用下さい。


『些細な事だ』・『簡単すぎるかな』と思われる事も、お気軽にどうぞ。
遅くとも通常2〜3日のうちに、メールで回答いたします。(^-^)


※なお、丁寧にお答えするように、心掛けておりますので、
 下記の理由により、『お電話でのご質問』はご遠慮頂いております。

  1. 『丁寧にお答えするほど、長電話』となってしまう。
    それにより、お客様をお迎えするための営業活動に支障が出る。
     
  2. お迎えした、ご来店中のお客様に、中断というご迷惑をお掛けする。
     
  3. 口頭回答のため、時間が経つと回答をご本人が忘れてしまいやすい。
     
  4. 当店で対応しているメール形式ですと、後で回答を読み返しが出来る。
    文字なので、お客様のペースで読めて、理解しやすい。
     
  5. 私(HP担当:鹿島)は、ほとんど、電話に出ません。


    ☆ぜひ、『ご予約・お問い合わせフォーム』をご利用頂きますよう、
     伏してお願い申し上げます。<m(__)m>


☆【老眼】と【眼精疲労】は、上記の通りとても『似ています』。


 私がお相手させて頂いたお客様の中で、老眼でないのに遠近を作られていたり。
 逆に老眼が原因なのに、目的外のレンズ使用したケースをお見掛けします。


 きちんとした見分け、分析ができるお店やスタッフに相談することが大切です。


 『老眼』の場合には、水晶体の膨らみの不足の補助を目的に。
 『眼精疲労軽減』には、長時間の近方視の緊張軽減のために。


 きちんとしたスタッフに相談して、皆様の目的に適した、
 各種累進眼鏡レンズ(遠近両用・中近両用・近々両用)をご選択・ご使用下さい。
 (#^^#)


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