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使い易く 慣れ易い 遠近・中近・近々両用眼鏡 を作るために。

快適な遠近両用メガネを作る為の

初心者向けアドバイスHP

◆眼鏡レンズの基礎知識初メガネの方向け

[A] レンズの素材


素材名 詳細
プラスチック
傷に弱いですが、欠けてしまうことがあっても、
相当な力がないと割れにくい。
重量は、プラスチックより軽い。
ガラス
プラスチックに比べ、重く、割れ易くが、
傷はつきにくい。
ポリカーボネート系
衝撃に対して強く、プラスチックよりも割れにくい。

ただ屈折率が低く、
度数によっては厚く仕上がってしまいがち。
製作範囲も限られることが多いです。




[B] メガネレンズの基本設計

 

設計名 形状比較 説明
球面設計
前・後面のカーブ差で、
レンズ度数は決まります。

中央が薄い物を近視用
「マイナスレンズ」。

中央が厚い物を遠視用、
「プラスレンズ」
と呼びます。

球面設計は、一番
ポピュラーな設計です。
片面

非球面
設計

片面のカーブを
なるべく浅くして、

歪みと厚みを抑えた設計。

薄さを重視派には、
外面非球面設計を推奨。

見え方重視派には、
内面非球面設計を推奨。
両面

非球面
設計

両面を非球面化して、
極力【歪みを抑えた】
設計。

強度乱視がある場合や
度数自体が強い場合、
 
両面非球面は
パワーロスが少なく

クリアな見え方を
ご希望の方におすすめ。



※形状比較の図は、特徴をデフォルメしております。



・【片面非球面】と【両面非球面】レンズの違いは?


よく頂くご質問で、眼鏡関係者によって『見解が異なる』部分です。
私の意見の他に、他の方々の意見もお調べ下さいませ。


【 片面非球面 設計 】(HOYAの場合)

・外面 非球面:『薄さを優先』したい方向き。
・内面 非球面:『見え方を優先』の方向き。(⇒両面非球面設計に近い見え心地)


【 両面非球面 設計 】

・片面非球面で時々見づらさを感じたり、『強めの乱視がある』方や、
 薄さよりも『見え具合を優先したい』方におすすめ。


※【両面非球面】は、両面非球面化で、やや【片面非球面】より厚くなります。

※見え方の『クリアさ』の違いはお客様の個人差があります。
 違いを感じる方と感じない方が出るかもしれません。

→物理的性能はあっても、最終的に感じるかどうかは、
 本当に人それぞれです。

 データだけ見れば、内面非球面設計と両面非球面設計では、
 歪みの少なさ≒快適な見え方は、ほぼ同じくらい良いものになっています。




[C] レンズのスペックの見方


- 素材に関係なく存在する数値。主にアッベ数、屈折率、比重の3つ -

アッベ数
○アッベ数が大きいと、色収差が生じにくくて、見やすい。
 →数値が低いと色が滲んだり、違う色に見えることがあります。

屈折率   
○屈折率
は数字が大きいほど、レンズが薄くなります。
→プラスチックは最高1.76、ガラスは1.90が最高です。

※超高屈折レンズ(ガラス等)は『アッベ数』が低下します。
→色収差が発生して、色がにじんで見えたり、

 またプラスチックレンズはコートの寿命が短いものもあります。
 あまり厚みが変わらなければ、無理に上位レンズにしない方が吉。

比重
○比重は大きいほど重くなります。
→屈折率の高いレンズほど、比重が大きく、重くなります。





[D] 表面コート





☆上の例のように『コーティング無し』『コーティング』レンズがあります。


コート種類 説明
ノンコート
表面に何のコートもしていないレンズ。
一般的に、度なしサングラスに使用されます。
ハードコート
表面に傷を少しつきにくくするコーティングしたレンズ。
マルチコート
ハード・コートを施した上から、
表面の乱反射を防ぐ、反射防止コートがついたレンズ。

(度付レンズは、ほとんどされています。)




☆また、代表的な『特殊コーティング』には、下記のようなものがあります。 


【 その他 代表的な 特殊コーティング 】

特殊コーティング名 説明
UVカットコート
( UV 400 )

UV(紫外線)をカットするコート。
多くの屈折率1.60以上のレンズは、
素材に練りこんでいて標準装備品が多い。

無色透明でも紫外線はカットします。
(紫外線は目に見えない高波長になります。)

※化粧品でいうとUV-A(315〜400nm)を
 99パーセントカットします。
UVカットコート
( UV 435 ? )

近年、UV−A以上の波長の紫外線も、
眼病の原因とされているため、

より範囲の広い紫外線をカット。
薄いグレー色がついています。
耐傷性コート
表面のコーティングを特殊な加工で強化、
耐傷性を増したコート。

複数の上位コーティングで開発されています。
撥水・撥油性コート
表面を撥水、撥油性のコートをかけ、
汚れをつきにくく、ふき取りやすく。

摩擦係数が下がるので、
耐傷性も相対的に高まります。
防曇加工コート
定期的に、曇止め溶剤を塗り、
防曇効果を維持するコーティング。

溶剤を塗り続ける必要があるので、

普通のレンズに曇り止めを塗って 、
間に合う人には、あまりお勧めいたしません。
眼の負担軽減
補助カラー

様々な特殊カラーフィルター効果で、
物体を認識しやすくする、眼を助けるカラー。

LED等の青色光(ブルーライト)カット
コートも出てきています。
調光コーティング
紫外線で色が変わる(色が付く)コート。
変光レンズと呼ばれますが、正しくは調光レンズ。
 
日本はずっと色のつくレンズが多いですが、
海外では日本よりも高い普及率になっています



☆このほかにも、様々なコーティングがあります。
 用途に応じて、お選びになるのもよろしいのではないでしょうか?


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