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使い易く 慣れ易い 遠近・中近・近々両用眼鏡 を作るために。

普通の街の眼鏡店からの 1つのアドバイス

(*´▽`*) 当店HP: http://sankyomegane.com/

( 29 ) 運転用の累進メガネ お勧めは遠近両用メガネ

(1)運転には、遠近両用メガネです。(^^♪


架空のお客様の処方箋を例します。


〈 遠用 処方箋 〉 マイナス=近視性という意味
  球面 乱視 乱視軸 加入度数 瞳孔間距離
−4.00D     +1.50D 30ミリ
−4.00D     +1.50D 30ミリ


※加入度数:遠くの度数にれて、近くを見やすくなる度数の事
⇒(ー4.00D)+1.50D=−2.50D(近くの度数)


これを踏まえて、度数と視力の関係を表現します。
各度数の次にある()内が、その度数で得られる視力とします。


分かりやすくなるように書いているだけで、
このような見え方になるわけではありません。


遠用単焦点 遠近両用メガネ






全面
―4.00(1.2)
遠用 −4.00 D(1.2)  
 遠用 −3.75 D(1.0〜1.2)
遠用 ー3.50 D(1.0)  
 中間 ―3.25 D(0.9〜1.0)
 中間 ―3.00 D(0.8〜0.9)
 近用 ―2.75 D(0.8)   
 近用 ―2.50 D(0.7)   


☆かなり、ご都合主義の例になりますが、運転の遠方視力で考えると、
 全面同じ度数で、視力1.2が得られる遠用単焦点メガネが一番です。


しかし、老眼になると、スピードメーターやナビを見るときにボヤケます。
こうなると、スピード違反や道を間違えることも危ないことです。





累進レンズについて詳しい方はご存知ですが、
『中近両用メガネ』には、名前にはない、遠くを見る(遠用)度数があります。


(2)運転に、中近両用をお勧めしない理由。



論より証拠で、同じことを中近両用メガネとの比較でお話しします。



遠近両用メガネ 中近両用メガネ






遠用 −4.00 D(1.2)  
 遠用 −3.75 D(1.0〜1.2)
遠用 ー3.50 D(1.0)  
 中間 ―3.25 D(0.9〜1.0)
 中間 ―3.00 D(0.8〜0.9)
 近用 ―2.75 D(0.8)   
 近用 ―2.50 D(0.7)   


『説明』
  • メガネをかけた時の目の位置が、レンズ上下の中央付近とします。
    ちょうどそれぞれの図の左側にある、黒い線の高さとします。
  • 遠近両用の場合、遠方度数と中間度数の付け根になります。
    正面を見た時の、視力は、最高「1.2」、悪くても「1.0」を少し欠ける位です。
  • 中近両用の場合は、完全に中間度数になり、「0.8〜0.9」になります。
  • 運転は遠方だけでなく、横方向のワイドな視界が重要になります。
    歩行者や陰から出てくる車などに気づきやすくなり、安全性が高まります。
    その点、遠近の方が広いので、同じ条件であれば、
    遠近両用と中近両用では、文句なく、遠近両用が優れています。


☆単純遠方視力だけでなく、側方視野も広く取れることが重要になります。


☆別の章でもお伝えしていますが、物は目で見ているのではなく、
 脳で画像化されたものを認識しているのです。

 遠用度数が眼前に多く来る遠近両用の方が、脳での画像が作りやすいものです。
 逆に中近両用は、少ない情報で遠方視力を作っているので、見え方が劣ります。


☆さらに中近両用に言及すると、昼間は認識できる、面積の小さい遠用情報が、
 夜間になると見えにくくなり、脳で認識するための情報が少なります。

 つまり、昼間は視力表で1.2見えたとしても、夜間になると、0.7も怪しく、
 運転が難しくなることもあります。


 というわけで、当店では、中近両用での運転はお勧めせず、
 遠近両用メガネまたは単焦点メガネでの運転を推奨しています。( ^ω^ )



(3)中近両用の運転が良いと主張する方例



遠方度数をきっちり入れた、単焦点・遠近両用メガネが、運転には適している。
と、(2)で説明しましたが、「そんなことない。」という方もいらっしゃいます。


そのような方の例を記すことで、やはり、目的に合ったものが安全である。
ということを、知っていただきたいと存じます。


当店は、累進レンズ製作でご評価頂いている部分があるので、
単焦点から、初累進レンズをお作りすることもございます。


近くが見づらいの困っていたので、遠用度数を弱めにして対応、
遠くも近くも、そこそこ見えていた方を、例にさせていただきます。


その方の検査度数も上記例と同じ、遠用度数:―3.00の近視、加入度数:+2.50.
今までのメガネが、―3.00Dの近視のメガネとします。


今まで掛けていた
メガネの度数
新作の中近両用メガネ
近視-4.00 D、加入度数+1.50



全面
―3.00(0.8〜0.9)
遠用 −4.00(1.2)  
 遠用 −3.75(1.0〜1.2)
遠用 ー3.50(1.0)  
 中間 ―3.25(0.9〜1.0)
 中間 ―3.00(0.8〜0.9)
 近用 ―2.75(0.8)   
 近用 ―2.50(0.7)   
※分布図は略します。


☆眼前度数が同等か、それ以上によく見える度数(1.2)もあり、
 新しい中近両用メガネで視力検査すると、1.0以上の視力も出ます。


 単純に度数が違うのですから、比較するのは不適切です。
 遠近両用メガネで運転する方が、より見やすく、安全性は高まるのですから…。



(4)遠近両用メガネで運転をしたいなら……



  1. 車の種類などは、メガネを作る上で、必要な情報です。

    大きく分けるなら、セダン、スポーツカー、SUV、トラック、建設機械。
    どれも、車の運転ですが、車高やコックピット周りが異なります。


  2. 運転姿勢の情報も大切です。

    昔は、MT(マニュアル)が多く、正しい姿勢で運転しないと、ギアチェンジもできませんが、最近、AT(オートマ)が主流で、シートを倒す人もいるようです。

    正しい姿勢で運転する人は問題ないですが、半身の方も日常お見受けするので、
    正しい姿勢で運転なさらない方は、正しい姿勢が大切です。


    眼鏡の装用状態を元にして、アイポイント、レイアウトを設定することで、
    使用に耐えうる、楽になれやすい設定のメガネが出来やすくなります。


  3. 車の運転で慣れなかった方で、当店でリトライの際に、メガネを拝見すると、

    ・問題の半分は、製作度数の選択。
    ・あとの半分が、レイアウト等の選択。


    度数選択は、測定時からお客様のお好みやタイプを把握は必要で、
    公式のように、決まった対応をするわけではありません。


    同様に、レイアウトもお客様のタイプによって、設定等を決定します。
    眼鏡の製作技術・経験がモノをいいます。


    信用のおける、ごひいきの眼鏡店でよくご相談ください。(*'▽')




……お客様のご質問への回答編 (回答編の目次に戻るには、ココをクリック。)



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