遠近両用眼鏡等の≪ 累進レンズ視力検査のプロセス ≫を、
このページで、当店を例にして記します。
念のため、始めに記しますが、あくまで当店の手順例であって、
他店が同じでなかっただけで 即『おかしい』ということではありません。(^-^)
何故なら測定方法は、『多種多様』で、例えば、ドイツ式やアメリカ式などがあり、
ちゃんとした技術者なら、どちらの方法でも適正に他の方法で補完しています。
→「米国式21項目検査」や「ドイツ式両眼開放屈折検査」等ありますし、
それら方法に更なる独自の工夫をして、
さらにより良い、眼鏡作りに努められている技術者も存在します。
上の写真は私の持っている眼鏡関連本の一部です。
写真にも書きましたが、測定方法は複数存在します。
そして情報が多すぎて混乱しないよう、
各測定方法で共通点の多い『基本的な部分』を記します。
あまりにも『測定時間が短い』、『かけ離れている』測定で、
ご不信を抱かれるなら、そのスタッフの方にご質問下さい。
きちんとした方なら、適切な回答をして下さると思います。
また、回答を聞いてもご不信をお持ちにならば、
その場で作る事を辞退され、別のお店もみて回られて、
納得したお店でお作りになる事をお薦めします。
(1)コンサルティング(ご相談内容の確認)
☆まず、当店の場合は、前項で準備した事項について伺います。
(A) いつ、どこで、何を見ているときにお困りか?(部屋の明るさも含め)
(B) 現在使用中のメガネの度数と使用状況。
(C) お客様のご希望があれば、そのレンズタイプ。
(2)遠用度数測定
お客様からの聞き取りの中から、重要な問題点やチェックポイントを想定。
その部分を中心に、周りを取りこぼさない検査を開始。
(A) 機械による他覚検査の後、必要に応じて各種検査
(B) 裸眼視力検査やカバー&アン・カバー検査。(眼の動き方の確認。)
(C) 自覚検査にて完全矯正値(→遠くを見るのにベストな度数)を測定。
老眼鏡を作るときも、必ず、完全矯正値(度数)を測定します。
どんなメガネを作る際にも『遠用(遠くを見るための)度数』が基準です。
(D)片眼ずつの完全矯正値を出した後、両眼開放状態で両眼バランス確認。
(E)過矯正でないかのチェックと、両眼で視標を見た結果によっては
更に詳しくプリズム検査も行います。(斜視・斜位の方に)
概ね上記までが遠用度数関連(完全矯正値)の測定になります。
時々「難しい眼」だとご自身で仰るお客様もいらっしゃいます。
ぜひ具体的にご自身のどの状態をもってそう思うのかを、
眼鏡をお作りになられる時に、測定する人にお申し出下さい。
きっと良い眼鏡をつくるための良い材料になると思います。
★当店では、測定時『気になる点』が出た場合、メガネの製作を中止し、
お客様のかかりつけの眼科受診をお勧めする事がございます。予めご了承下さい。
(3)近用度数測定
☆遠用度数を測定終了したら、次に近用度数の測定です。
通常は両眼で、必要に応じて片眼ずつ測定致します。
★下の写真のような道具を使用して、お測りします。
→正確にお測りするため、近用視力表を固定します。
十字視標・ひらがな視標等を用い、明視範囲と調節力を確認しながら、
加入度数調節を行います。
★当店のこだわりを分り易くいうと、
【近用度数の単一度数下での明視範囲】を重視して、
現在お持ちの【お客様の調節力】を活かし、
【極力歪みを感じにくい度数】を心がけております。(^-^)b
(4)装用度数の決定
☆テストフレームで、装用度数を決定します。
累進レンズをためす際は、十分に時間をかけて行います。
⇒この時、お客様に必ずボケる・見えないポイントを確認して頂きます。
その上で、下記3点をポイントをお客様からお伝え下さい。
(A)当初目的にしていたものを、明視可能かどうかの確認。
→持ってきたメモを見てチェックしましょう。
(B)使用説明を聞き、実践に即した状態で試す。
→ 少しでも感じたことや、疑問に思ったことを、その場で聞きましょう。
(C)実際のレンズは、あと少し見える面積が増えます。
→この時点で満足頂ければ、完成品は見える範囲が広くなります。
→テストレンズで見え方などにあまり満足がなければ、
別タイプのレンズ選択をお勧めします。
(5)まとめ
検査自体は、長くても15分前後で終わりますが、(1)から(4)、
つまり事前&検査中のコンサルティング、装用テストと説明を入れると、
全部で30〜40分は、おひとりのお客様にお仕え致します。
時間がかかるように見えますが、スムーズな場合は、あっという間です。
より良いメガネをお作りするために、大変重要なことばかりです。
ご協力を宜しくお願いいたします。( ^^) _旦~~
以上、大まかな流れを上記のように記しましたが、
これでも、本当に大雑把に書いただけで、当店では上記の他に、
『お客様のクセ』・『使用方法』、その他『諸々の案件』を考慮して、
お客様のタイプにあわせた『測定方法』や『テクニック』を用います。(^-^)
詳細を書くと煩雑になるので、ここでは記さない事、お許し下さい。 (^^;)
(補足説明)
◇測定方法の話を書いたので、眼鏡の教育関連について少し記します。
ほとんど知られていませんが、眼鏡の専門的な知識と技術を学ぶための
『眼鏡専門学校』がございます。(2〜3年間、様々なことを学びます。)
実技もあるので、専門学校卒業生は一定の知識と技術を学んいます。
(眼鏡屋が国家資格化されていないので、義務化されていないので、少数派です。)
他方、専門学校で学んでいない、大多数の方は、どの様な状態かというと、
所属企業による研修の有れば、そこで学びますが、教育内容の質と量が様々です。
次に教育プログラムが無い、または無いに等しい会社の場合、
やる気のある方は、独学で専門書を読み解いていく方もいらっします。
いずれでも、キチンとした教育を受けた、または勉強している人に、
巡り合えれば良いのですが、不運だとそうでない方がお相手する可能性があります。
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☆眼鏡業界は、眼鏡関連会社・眼鏡店といっても、水準にばらつきがある業界です。
ぜひ色々なお店の解説HPをご覧になって、
お近くの良い方に巡り合える事をお祈り致します。
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◆視力測定は長ければ良い物とは言いませんが、逆に短くなるのは少数派です。
聞きとり(コンサルティング)と視力測定で30分くらいかかると思います。
理解の早い方の場合は、もちろん時間は短くなりますが、
知識のあるスタッフの説明があまり短くなるのは考えにくいです。
上記のように長々と書きましたが、一言でいえば、
あまり短時間で終わる場合は、『きちんと測定したか』、
『
使用説明など、しっかりしていたか』等を、当店測定例や他店HP等を見て、
十分にご自分で確認することをオススメします。
当店のお客様へのタイムスケジュールの一例をリンクしておきます。
ご参考にご覧くださいませ。(
ココをクリック)
◆無料測定サービスのエチケット -良い眼鏡店探しの際に -
『良いお店に巡り合うため』・『お店・スタッフ選び』のために、
再度記載しますが、
無料測定サービスがあるなら、その有効利用をお奨めします。
しかし、無料とはいえ、お店スタッフのサービス提供を受けるので、
ぜひ、その(お店の)エチケットを守ってご利用下さい。
- 「今日は買わない。購入検討の為に相談をしたい」と始めに必ず伝える。
(相手に気を持たせないため。)
会社の方針で購入者以外の測定をお断りのお店もあります。予めご考慮下さい。
- 無料測定サービス度数は、お持ち帰りをご遠慮頂くことがほとんどです。
他のページでも、ご説明申し上げておりますが、有料、無料を問わず、
医師以外の者が『眼鏡の処方箋』を『発行』することは出来ません。
お客様の中で、測定度数を処方箋と誤った判断される方もいて、
そのような誤解が起きないよう、配慮している会社がほとんどです。
☆眼鏡店に許されているのは、お買上げになる眼鏡店での
『お客様の同意された度数』と『処方箋度数』での眼鏡の作成です。
☆また完全矯正値(遠くが最も見える最弱度数)は教育を受けた技術者なら、
誰が測定しても、(ほぼ)同じ度数になりますが、
実際にかける眼鏡の度数は、『楽に』『使いやすい』度数にするため、
そこからバランスよく、度数を調整します。
ですから、相談の仕方によっては『度数の条件』が変わるので、
お持ち帰られて『比較』しても意味がございません。
- 『度数のお持ち帰りが出来ない。』ことの補足でございます。
上記の通り、各眼鏡技術者は、『より快適な度数』をご提案するため、
『各種公開講座』や『勉強会』を通じて、日々鍛錬をしております。
そのような事情を知らずに、測定の上手な店で測って、
別のお店やネットショップで作ろうとされる方が、稀にいらっしゃるそうです。
◆オススメする度数のカスタム傾向が強い方の場合、どの距離を念頭において、
その度数を最大限活かすために、レイアウトや調整がより必要になります。
◆難しい眼の方にとっては、快適さが全く異なります。
測られた方に製作依頼するのが最良と考えます。
→このため、他店の中には、一律『無料相談』をお断りのお店もあります。
(信条として。また外見では判断出来ない。など様々な理由があります。)
諸事情を御高察頂き、該当店に悪い印象は持たれないようにお願い致します。
- お客様には、『真剣にこのお店を候補』にしていて、『見極めるために測定されに来店される』という前提を忘れずにお願い致します。
- そもそも論になりますが、病気等で目に異常のある場合、
どこで度数を測っても、良好な見え方はしないものです。
実店舗のお客様には、定期的な眼科検診を推奨しております。
白内障や緑内障、黄班変性症等は、医師のみが確定診断できるからです。
視力の出ない原因が、「どう見ても水晶体の濁りが原因と思って」も、
眼鏡屋が、「白内障だから眼科に行ってください」ということは、
医師法違反になる(または可能性がある)行為になりますし、何より、
他の重大な病気によるものであるならば、早期発見の妨げになります。
病気の中には、自覚症状が全くないものもあり、
定期検査を受診された時に、運良く見つかる事もございます。
眼の疾患等による視力低下をしている方は、
必ず眼科での検診を受けてからの測定を推奨いたします。
『メガネ処方箋の補足説明』
受診眼科さんが、処方箋でも上手な検査員がいるならば、
よくご相談の上、度数測定、十分な装用テスト・説明を受け、
処方箋を眼鏡店にお持ち込みになるのもよいでしょう。
それを信頼のあるメガネ店で製作するのも1つの方法です。
メガネは『同じ処方箋』で、『同じレンズで作って』も、
『眼鏡店での工夫が違う』と使いやすさ・見え方も変わります。
健康診断を受診した上での処方箋を見せて、
眼鏡店で『スタッフの説明』を聞いて納得して、
眼鏡をお作りになられるのは、とても良い事だと思います。(^-^)
きちんとした医師、検査員による処方箋は、再処方が稀です。
※処方箋度数が合わなかった場合、眼鏡店に責任はありません。
処方箋度数のトラブルは、処方眼科で解決していただくことです。
白内障手術で腕の良い眼科医を探すのと同じで、
きちんとした医師・検査担当者の処方箋を出される眼科を推奨します。
☆彡
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