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(補足)お客様のご質問への回答編 (回答編の目次は、ココをクリック。)


(8)【 過矯正 と 累進メガネ製作 】


★強度の近視だった方が、経年の変化などで、近視の度数が弱くなり、
 使用中の眼鏡の近視度数が、適正度数より強すぎる状態になることがあります。


 この状態の眼鏡を掛けると、網膜よりも後方に焦点がくる状態になります。
 このような状態を近視レンズの「 過矯正(状態)」と呼びます。



( A ) 【過矯正状態】の簡単な説明




    ◇上図の通り、「過矯正」になると、物が見えにくくなるはずですが、
 毛様体筋という筋肉で、水晶体を膨らませて、1.00D分を帳消しにして、物が見えます。


 近くを見るために水晶体を膨らませるのが、毛様体筋の役目です。
 近くを見る時にしか、使う必要がない筋肉ともいえます。



 「筋力がある」などの条件が揃っているうちは自覚がなく、
 「近くはさらに毛様体筋に負荷をかけて」水晶体を膨らませて見ることになります。


 「本来不要な筋肉を使って疲弊」して、
 「過分な光が網膜に当たり続ける」事は、目にとって良い状態ではありません。



( B ) 【 過矯正状態 】に気づくの場面

 過矯正を毛様体筋の酷使も限界がいつか来ます。主なケースを記します。

 
◇ 何となく疲れる。何となく不快感がある。
◇ 具体的に、近くを見るとボヤケル。ハッキリしない。
◇ 片眼だけ、近くが見えにくい。
(※)
 (※)片眼のみ過矯正の場合に見られる。


 この他にも、十人十色で様々な場面で、過矯正の影響を感じることがあります。

 これは、過矯正状態が「裸眼(=遠視)」か、「単焦点レンズ」でか、
 はたまた「累進レンズ」装用で生じているかによっても、変わってきます。



( C ) 【 裸眼で過矯正状態 】= 【 遠視のお客様 】の場合


◇ 裸眼で遠方を、水晶体の調節なしで見た時に、
  焦点が網膜の後ろに来るような状態を、いわゆる「遠視」と呼びます。


 遠視は、過矯正メガネを掛けた時と同じように、
 焦点が網膜よりも後ろになる状態ですので、便宜上、過矯正と同列でお話しします。


◆まずは、遠視の度数をお測りした上で、調節力がどの程度残っているかを確認します。
 調節力が十分に残っている方の場合は、遠用度数の眼鏡製作で基本対応します。


 ただ、お客様の遠視が中〜高度数ある、または左右差があるお客様の場合、
 完全矯正値よりも弱い度数で、効果を抑えて、装用感を重視しないといけないこともあります。
 (ケースバイケース)

 強度遠視の方は、視力の向上を実感できるので、眼鏡に便利さを感じやすいです。


 ※しかし、そのような方でも、「極度に調節力が強い」または「鈍感な方」は、
  適正な眼鏡を掛けて、遠用について「見ない」とか「見えにくい」と仰ることもあります。


  この場合は、近方視の時だけでも眼鏡を掛けて頂いて、
  近くを見る時の不要な負担を目に掛けないようにして頂きたいですね。



◆さて、上記に加えて調節力の補助が必要な方の場合は、累進レンズ対応も必要性が生じますが、
 初装者の場合は特に柔軟な対応をして、段階的に問題をクリアすることが大切になります。


 例えば、整理した問題点が5つあれば、状況によって、2つの問題をクリアする眼鏡を製作して、
 次回以降、残り3つの問題をクリアする眼鏡を計画するのも有効な解決策になります。



( D ) 【 過矯正の単焦点メガネ 】を使用していた場合


◇ 裸眼で過矯正状態にいた方。つまり遠視の眼鏡初装者は、大抵の人は視力が上がるので、
  眼鏡の効用を実感できるので、その点では新しい眼鏡に慣れようと前向きになりやすいです。


 しかし、過矯正の単焦点眼鏡を使用していると、「
過矯正慣れ 」が起こります。
 換言すると「 過矯正状態で網膜に映る<像の加減>に慣れてしまう 」ことです。


 
 人は、網膜に映った影の形を脳で画像化して、物が見えると認識します。
 過矯正慣れした方には、網膜に当たる像の大きさが適切になると、刺激量は減少します。


 その結果、物足りないのか?、認識しづらくなるのか?、人それぞれですが、
 適切な眼鏡を掛けると「(遠方が)見えにくい」と仰る方が発生します。



 この場合、ドライバーなどの遠方作業時間の多い方以外は、圧倒的に中近距離の作業が多く、
 不具合も近方に生じやすいので、老眼鏡の感覚で、
近くだけでも掛けた方が良いです。


 それでも、遠くの見え方を落としたくない方は、疲労権限型の累進レンズを使い、
 
徐々に過矯正状態から適切な補正状態に移行することをお勧めします。



( E ) 【 過矯正の累進メガネ 】を使用していた場合


◇ 遠近両用メガネ等の累進眼鏡でも、過矯正の眼鏡になることはあります。


  お見受けする例では、加齢とともに
近視が弱く(=目が良く)なって
 
使用中のレンズ度数が相対的に過矯正になったり、

  度数が出にくい人の検査で、「度数を上げれば、見えるようになる」と先入観を持ち、
  お客様を誘導する担当に当たった結果かのように、過矯正になったり…。


◇ そして過矯正が両眼が同程度ずつなら、製作眼鏡での悩みはかなり少なくなりますが、
  経験的には、片眼だけ過矯正になっていることが多いです。


〜 普通に考えれば、片方だけの過矯正の方が正し易いと思いますが、
  これが意外に、お客様にとってハードルが高くなるんです。(;^ω^)

  その一例が下記の通り。





 このような現象が起こった場合。古い眼鏡は、通勤やレジャー用に。
 新しい眼鏡は、お仕事の時にデスクに常備する「目的別の掛け替え」移行がセオリー。



 コツは、事務仕事時に新しい眼鏡を掛けて、近くの見易さを体に憶えさせて
 遠くは「見えないもの探しではなく」、「見える物だけを意識」すること。


 過矯正状態の網膜像に慣れると、以前出来た適正量での遠くの画像解析をしづらくなっているので、
 「見える物」を刷り込み、少しずつ遠くの物を見えるようにするのが、効率的です。(*'ω'*)


 記載以外にも、いくつものパターンと対処法がありますが、
 ここでは上記までの記載にしておきたいと思います。



( F ) 【 その他 】: 過矯正 + 初期老眼の方へのアプローチ


◇「今の状態に対して正しい眼鏡をかければ、物は簡単に見えるようになる」
 眼鏡をそんな単純に考える方もいらっしゃいますが、


 実は奥が深く、「物を見るための一つの道具」という側面に着目すると、
 お客様の「使い方と合致する」必要があります。


 前提として、過矯正の方の場合、過矯正度数に適応するために、
 常に毛様体筋を使って水晶体を膨らませて、物を見ることが習慣になっています。


 そういう方の場合は、「正しい度数」の眼鏡をかけていると、
 習慣的に網様体筋を使っていた癖や強い見え方の癖が抜けず、

 度数が弱く感じてしまい、不都合を感じる方もいらっしゃいます。


◇習慣の一つになっているから、「正しい度数の眼鏡」をかけ続けることで、
 網様体筋に負荷をかけ続ける「悪い習慣」から抜ける方法の1つですが、


 なかには、その方法が厳しい方もいらっしゃいます。


 そうなると、[ 現用の過矯正眼鏡 ]も[ 度数を落とした眼鏡 ]もダメとなると、
 単焦点では解決策が得られないことになります。

 こういった場合、累進系レンズは一つの解決方法としての可能性を持っています。



◇累進レンズは徐々に度数が切り替わっていく特性があります。


 この特性を活かし、度数設定等を工夫して、過矯正状態に慣れた習慣から抜け出て、
 使い勝手の不快感も低減させて、日常生活の質向上に貢献できることがございます。


⇒ただ過矯正かどうかはご自身で認知できる方はほとんどいないですし、
 感じても「何だか最近眼鏡がよく見えるのだけど疲れる」といった程度。


 当店で最近お見受けする過矯正メガネで多いのは、ここ数年、
 短い方で1年以内に製作した眼鏡をご持参されて、過矯正と分かることが増えています。


 お話を伺っていると短時間のルーティン系検査(レフ値に近い数値)で作製されたようで、
 遠くも近くもどちらもあっていない眼鏡にさえ、お目にかかります。


 当時の内容が分かりませんし、ある意味後出しじゃんけんですし、
 安売りチェーン店の例は、正直悪口に聞こえるので書きたくないです。


 良心的な量販店のスタッフさんには申し訳ないかぎりです。


 でも、お客様にお話を伺っても、短時間系のルーティン検査のために、
 測定結果への考察や検証もないままに御作りになられているようです。



◇過矯正状態の場合は、特に体感的に視力が極端に変化する部分を見逃さず、
 新たに必要としている手元距離で、どの部分をもっとも優先させるかなど、


 的確にお客様の御希望を受け止めて、測定に対する必要があるので、
 それなりの時間は掛るはずです。

 とにかく元々過矯正のお客様の場合、
 遠用度数の決定自体がシビアになってくる方も多いので、

 色々な意味でじっくり検査をしてくれるお店様・スタッフさんで
 お作りになられることをお勧めします。




- 内容は随時変更していく予定ですので、ご参考程度にお読みください。 -








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