【 遠近両用眼鏡に慣れると、見え方ってどう変化するの? 】
「遠近両用メガネの見え方ってどういう感じなの?」
「慣れてくると見え方が変わるの??」
上記主旨のご質問を頂くので、実体験を例にお答えします。
まず、物を「見る」とは、「網膜に映った像(光の反射)を脳で画像化する」ことです。
「慣れる」とは、「脳で、スムーズに画像化すること」を意味します。
知覚する過程を例にしてみました。
まず、遠くを目を向けたときに、
「視野の中にある、遠く(または近く)の情報」が網膜に影と形として知覚されます。
次に、網膜に投影された影・形の信号を視神経通じ、脳に送ります。
最後に脳で、影・形を脳で判別、画像化すると、
「遠く(または近く)の物がよく見える」ようになります。
いかに、脳で情報を処理しているか、分かりやすい例を挙げて、説明します。
「バックネット裏から野球を見ていたけど、暫くして気づいたら、
バックネットが消えていて、選手だけが見えるようになった。」
これは、野球を見るのに不要なバックネットの形・影は網膜に映っていて、
情報自体は視神経を通して、脳に送っているのですが、
脳が画像処理をするときに、「野球を見るには不要な情報」と処理して、
ネットがないという錯覚を起こる現象です。=人は見たい物だけを見る。
「遠近・中近・近々両用メガネ」も、《 画像処理に慣れる ≫につれて、
「新しく掛け始めた頃」と「慣れてきた頃」とでは、網膜像は同じでも、
「見え方が効率的」になっていきます。
「初期段階の遠近両用の見え方」、「慣れた時の見え方」の移り変わりを
そういう意味で私の実体験を通して書いていきます。
このように、「網膜に映った像」を単純に知覚した後、
「得た情報のうち、都合の良い情報を多めに画像処理する」ことで
「普通の見え方に近い」状態に感じさせるようになるのです。
(都合の良い見え方にしてしまう。)
これが見え方に慣れていくということになります。
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バックネット裏から選手を見ると、最初はバックネットも見えるのに、
時間が経つと、バックネットがなくなり、選手だけが見えるようになる。
これと同じ原理です。
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ちなみに、画像修正しやすい物や距離の好みに、個人差があります。
「2mくらい先の部屋のTVはOK。でも1m先の温度計が見えない」とか、
「40cmくらい先の新聞は見えるが、60cm先の設計図が見えない」とか。
慣れやすい眼鏡にするには、好みにあった( or 不得意をカバーする)度数で、
製作することが大変重要です。
@当店の場合でお話しすると、測定段階で、矯正度数と視力向上の相関関係を確認、
A事前コンサルティングで把握した、カバーが必要な範囲と突き合わせ。
Bご提案度数をご提示する際に、上記要素で選出した度数をテスト装用。
Cテスト装用時のお客様のご感想・ご意見があれば再調整した度数で追加テスト装用。
※ ただの単純作業でテスト度数を決めているわけではありません。
詳細を記載せず、大雑把にまとめると、上記4行になりますが、
本当に、個人の好みや距離が異なり、それが慣れやすさと連携します。
ぜひ、お客様の個性を尊重する、「目に馴染む」ような製作をするスタッフ・お店で、
眼鏡を御作りになられることをお勧め致します。 (*´ω`)
……お客様のご質問への回答編 (回答編の目次に戻るには、ココをクリック。)